愛犬が残してくれたたくさんの思い出

以前我が家で育てていた愛犬の事は今でもよく思い出し、家族でも時々LINEで画像を送り合ったりしています。
まだ子どもが小さかった頃ですが、戸建ての家に引っ越したのを機会にペットを飼おうということになり、当時は新聞などに載る譲渡のお知らせを見て電話で問い合わせていました。
たまたま問い合わせたところは県内のボランティア団体で、子犬を連れてきて見せてくれることになりました。はるばる車に乗せられて2匹の子犬がやってきました。

雄雌のきょうだいだったのですが、雄のほうは怖がりでケージから出されると我が家の部屋の隅っこに隠れてしまいました。雌のほうは意外と子どもたちにも平気だったし、柴犬ぽいのにコーギーのような模様があって子どもたちも気に入ったようでその子に決まりました。
改めて里子に来た時にはまだ小さくて顔の模様もはっきりしていましたが、残念なことにほとんど写真が残っていません。今のようにスマホでいつでも写真を撮るわけでもなく、小さな子どもと一緒に子犬の世話をするのは結構大変でした。

育てていくうえでも大変なことはいろいろとありました。体は丈夫なほうで病院へは予防接種くらいしか行きませんでしたが、割と神経質で家族以外にはあまり懐かず家に来る人にはかなり吠えていました。そのせいで近所から文句を言われたこともあり、犬に向かって叱ったことも多々ありました。
苦労もありましたが、無条件に家族に懐いてくれる愛犬の事がかわいかったです。
子どもが反抗期を迎えて家庭内がぎすぎすしがちな時には犬も分かるようで、喧嘩が始まると「やめて!」というように吠えていました。

子どもが一人暮らしをするようになると、今まで以上に愛犬の事が大事に思えてきたようで、「どうしてる?」「画像送って」と言うようになり、帰省すると散歩に連れて行くのですが、犬のほうが歳をとってきていたので長くは歩きませんでした。顔も白っぽくなり老犬の域に入ったなと思いました。
歳を重ねるほどにかわいく思えた我が家の愛犬ですが、もっとヨボヨボになって介護が必要になるまで生きていると思っていました。
それがある朝静かに息を引き取っていました。何の前触れもない別れでした。ただただ「今まで楽しかったよ、ありがとう。」の言葉しか思い浮かびませんでした。改めて振り返ると、もっと大事にしてあげられたかなとか後悔もありますが、本当に愛犬には感謝です。